中性脂肪値を高めてしまう原因は、お酒を飲む習慣が影響している

「中性脂肪が増加する原因」と聞くと、やはり脂肪の摂りすぎを第一に想像しますが、実はお酒を飲む習慣が原因となっているケースがあるのです。

ここでは中性脂肪とお酒(アルコール)の関係と、上手なお酒との付き合い方について解説していきます。

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お酒のアルコールが中性脂肪を増加させる!

お酒を毎日多く飲んでいるという人は中性脂肪値が高くなる傾向にあります。これはお酒に含まれているアルコールが、間接的に体内で中性脂肪が増加しやすい状況を作ってしまっているからなのです。

お酒を飲んで体内に入ったアルコールのうちの20%が胃で、残りの80%が腸で吸収されて血液に入り、肝臓へと送られます。

肝臓に届いたアルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)の働きによって「アセトアルデヒド」に分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素の力によって「酢酸」へと分解、最終的には二酸化炭素と水に分解されて体の外へ排出されます。

今回注目したいのは「酢酸」の段階です。実はこの酢酸は体の中で「アセチルCoA(アセチルコエンザイムエー)」に姿を変えます。このアセチルCoAは普段は、細胞内ミトコンドリアの中で脂肪酸を取り込みエネルギーを生み出す働きをしています。

つまり分かりやすくいうと脂肪の燃焼を手助けしているということです。脂肪の燃焼は体に蓄積されている中性脂肪が減るということですから、本来であればこのアセチルCoAは中性脂肪の増加どころか、反対に中性脂肪の減少に一役買ってくれている存在なのです。

しかし、問題はアルコールを過剰に摂取してしまった場合です。アセチルCoAは酢酸が姿を変えたものでもあるので、酢酸の元となるアルコールが過剰に摂取されれば当然体内のアセチルCoAも増加します。

本来アセチルCoAはミトコンドリア内に存在していますが、このようにして増えすぎてしまうとミトコンドリアの外に溢れてしまいます。

そしてこのミトコンドリアの外に溢れてしまったアセチルCoAは、あろうことかミトコンドリア内に存在して脂肪酸を取り込んでいるアセチルCoAの働きを邪魔してしはじめるのです。

つまり、アルコールを過剰摂取すればするほど、ミトコンドリアの外にアセチルCoAが増えてしまい、中性脂肪が分解されづらい状態=中性脂肪値が高くなりやすい状態になってしまうということです。

お酒は必ずしも悪ではない

お酒に含まれているアルコールを過剰に摂取してしまうと、中性脂肪値が高くなりやすくなってしまいます。このように説明するとお酒が悪者のように思えてくるでしょう。

しかし、お酒は昔から「百楽の長」とも言われており、実は適量であれば身体に良い影響を与えることもあるのです。

良い影響の中でも特に今回注目したいのが、善玉コレステロール(HDL)の増加と血管の拡張です。血液中に存在している悪玉コレステロール(LDL)が増えすぎてしまうと、本来細胞に取り込まれるはずだったコレステロールが血管の中にしみ込んでしまい動脈硬化を引き起こします。

善玉コレステロールには血管の中にしみ込んだコレステロールを引き抜く働きがあるため、善玉コレステロールの増加は動脈硬化を防ぐことに繋がるのです。

また適量のアルコールには、血管を拡張し血流を良くする効果があり、これも動脈硬化の防止に繋がります。

ちなみに中性脂肪が増加すると、悪玉コレステロールよりも大きさが小さく血管へとしみ込みやすい超悪玉コレステロール(小型LDL)が増加することが分かっており、中性脂肪の増加は動脈硬化を引き起こすきっかけとなるのです。

このようにお酒の飲み過ぎは中性脂肪を増加させ動脈硬化を引き起こしますが、適量のお酒は善玉コレステロールを増加させ動脈硬化を防ぐ効果があるのです。

お酒は適量を!

ここまで読み進んできたお酒好きの方にとって、気になるのは「お酒の適量がどれくらいか?」という点でしょう。日本動脈硬化学会のガイドラインでは、1日のアルコール摂取量を25g以下に抑えるように推奨しています。

お酒に含まれるアルコール量はお酒の種類によっても異なっています。

・日本酒…1合(180ml)に含まれるアルコール量22.1g
・ビール…大びん1本(633ml)に含まれるアルコール量23.6g
・ウイスキー…ダブル1杯(60ml)に含まれるアルコール量19.1g
・ワイン…グラス2杯(220ml)に含まれるアルコール量20.4g
・焼酎(25度)…小グラス2杯(100ml)に含まれるアルコール量19.9g

このようにしてみると1日のアルコール摂取量を25g以下に抑えるとなると、お酒好きの方にとっては1日に飲めるお酒の量は物足りないものになってしまうことでしょう。

しかし、実際にお酒好きで中性脂肪値が高い人がアルコールの摂取量の目安を守って生活をするだけで、中性脂肪値を基準値内まで下げられるケースも珍しくありません。それだけお酒に含まれるアルコールが中性脂肪に与える影響が大きいということでもあるのです。

最後になるべくお酒の量を少なくするコツをいくつか紹介するので、参考にしてみてください

・コツ1…お酒を飲む前に水やお茶を飲んでおく
・コツ2…必ずつまみを用意して、ゆっくりとお酒を飲むことを心がける
・コツ3…つまみは冷ややっこ、枝豆、白身魚の刺身、あさりの酒蒸し、海藻のサラダ、酢の物といったものにする
・コツ4…空腹の状態でお酒を飲むと飲み過ぎ、食べ過ぎに繋がるので食後に飲むようにする

中性脂肪を増加させる原因としては、脂肪だけでなくアルコールの過剰摂取もあげられます。お酒好きにとってはお酒を控えるというのは苦しいものかもしれませんが、行動すればはっきりと中性脂肪値に努力が反映されるため、中性脂肪値を改善したい方は真っ先に狩猟の調節に取り組みといいでしょう。

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