中性脂肪は糖尿病の血管障害に深く関係している

生活習慣病として有名な糖尿病は、合併症が多いことでも有名です。実は糖尿病が、様々な合併症を引き起こす原因は「血管障害」にあるといわれており、血管障害には中性脂肪が深く関係しているのです。

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糖尿病の血管障害による病気

まずは血管障害について簡単に説明していきましょう。血管障害とは血管になんらかの理由で障害が発生して、体中の筋肉や臓器の活動が低下してしまうことをいいます。

実際に糖尿病になると「細小血管障害」と「大血管障害」というふたつの合併症によって様々な病気が引き起こされます。

▼細小血管障害
糖尿病によって高血糖の状態が長期間続き、体にある細い血管に障害が起こることを「細小血管障害」といい、これによって次のような病気が引き起こされます。

・糖尿病網膜症
目にある網膜内の血管に障害が起こることで視力障害が発生し、視力の低下や失明を招きます。

・糖尿病腎症
腎臓にある毛細血管に障害が起こることで、腎臓の機能が低下するのが糖尿病腎症です。腎臓は、血液をろ過して体には必要のない老廃物を尿にする働きがあります。そのため糖尿病腎症が進行すると、人工透析(機械を使って血液をろ過すること)も必要になってきます。

・糖尿病神経障害
体中には細い血管が張り巡らされており、この細い血管に障害が起こると体の自律神経の働きも乱れてしまいます。具体的には立ちくらみ、異常発汗、便通障害といった症状があらわれます。

また神経障害は脳から離れている足先から始まっていきます。足先の神経に障害が出るということは足の感覚が鈍くなるということでもあり、このせいで足のけがや火傷に気付きづらくなります。
そして足という場所は手などと比べるとあまり目にする場所ではないので、足にできた小さなけがや火傷に気づかず化膿、潰瘍、壊疽へと症状が進行していくことがあるのです。

▼大血管障害
細小血管障害は障害が体の細い血管に起こることをいいましたが、体の太い血管に動脈硬化といった障害が発生することを「大血管障害」といいます。大血管障害は次のような病気を引き起こします。

・脳梗塞
脳の血管に動脈硬化が発生することで脳梗塞を発症します。脳梗塞になると、脳細胞に血液が送られづらくなり、言語障害、視覚障害、意識障害などがあらわれます。

・心筋梗塞
心臓の血管に動脈硬化が発生することで心筋梗塞を発症します。心筋梗塞になると心臓に血液が送られづらくなり、突然胸に激しい痛みが発生し、時間の経過とともに心臓の筋肉が壊死していきます。

このように糖尿病になると2種類の血管障害を引き起こし、そこからさまざまな病気や異常が発生していくのです。

糖尿病性血管障害の原因は?

どうして糖尿病になると血管障害が発生するのでしょうか?そこには主に4つの原因が深く関係しているといわれており、そこには中性脂肪も含まれているのです。

・原因1…高血糖
糖尿病の大きな特徴ともいえる高血糖は、血糖値が高い状態のことです。血糖値が高いということは言い換えれば血液中にブドウ糖が余っているということでもあり、これが血管障害を引き起こす原因のひとつになります。

・原因2…高血圧
糖尿病の特徴でもある高血糖の状態が続くと、血管を流れる血液の量が増加します。そうなると血液の量が増加した分、血管に強い圧力がかかるようになりいわゆる高血圧の状態になります。

高血圧というのは血管の壁に強い圧力がかかっているということですから、これも血管障害を引き起こす原因になっているのです。

・原因3…高LDLコレステロール血症
LDLは悪玉コレステロールのことであり、高LDLコレステロール血症というのは、血液中のLDLの量が多すぎる状態のことをいいます。

血液中に増えすぎたLDLは血管に染み込んでいき、酸化(腐ったりサビた状態になること)します。
この酸化したLDLを処理するためにマクロファージという細胞が活躍するのですが、このときに血管の内部では炎症が発生して、コブができてしまいます。

このコブによって血液の流れが悪くなるのがいわゆる動脈硬化であり、大血管障害が発生してしまうのです。

・原因4…高中性脂肪血症
高中性脂肪血症は、体内に存在する中性脂肪の量が増えすぎている状態のことをいいます。中性脂肪が増えすぎると、超悪玉コレステロールと呼ばれる小型LDLが血管内に増えることがわかっています。

小型LDLという名前からも分かる通り、普通のLDLよりも粒子のサイズが小さいため血管にしみ込みやすく、動脈硬化を引き起こしやすいという特徴をもっています。

そのため中性脂肪の増加は、間接的に動脈硬化の発生に関わっているのです。
また以前は中性脂肪の増加は動脈硬化、つまり大血管障害にしか関わっていないと考えられていましたが、今では細い血管の障害である細小血管障害にも関係していると考えられています。

糖尿病では中性脂肪の管理も大切!

これまで糖尿病になった場合には、特に血糖値や血圧、コレステロールの管理が大切だと考えられてきました。

しかし血管障害には中性脂肪の増加も関わっているため、もし糖尿病になった場合には血管障害を引き起こさないためにも、血糖値、血圧、コレステロール、そして中性脂肪をコントロールする必要があるのです。

今回の説明でもわかるとおり、糖尿病と中性脂肪は深い関係を持っています。糖尿病だと診断された場合は体内の中性脂肪の数値が高い可能性がありますし、その逆で中性脂肪の数値が高いと指摘された場合には糖尿病を発症している可能性も考えられるのです。
糖尿病になると血管障害を発生して、様々な合併症を引き起こします。糖尿病の人はもちろんですが、そうでない人も普段から血糖値、血圧、コレステロール、そして中性脂肪の数値に気を付けて糖尿病や合併症を未然に防げるようにしましょう。

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