NHKためしてガッテンでも放送!食後高脂血症の恐ろしさ

ここ数年でNHKの「ためしてガッテン」や朝日放送「みんなの家庭の医学」といったテレビ番組で「食後高脂血症」が取り上げられるようになりました。

食後高脂血症は動脈硬化を引き起こすきっかけになり得るのですが、この症状には健康診断では見抜けないという恐ろしさがあるのです。

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食後の中性脂肪が極端に増加する食後高脂血症

食後高脂血症とは、食事を食べた後の体内の中性脂肪の量が極端に増加する症状です。体内での中性脂肪の作られ方は2通りあります。食事から中性脂肪そのものを摂取する方法と、食事から摂取できる糖などを材料として肝臓で合成する方法です。

このことからも分かる通り、健康な人でも食事を摂取した後には体内の中性脂肪の量が増加します。そして、食後に増えた中性脂肪は普通であれば「リポたんぱくリパーゼ」という酵素によって分解されます。

そのため異常がない人の場合は、食事を摂取した後でも体内に増加した中性脂肪は分解されるため、中性脂肪が極端に増えるということはありません。

しかし食後高脂血症になっている場合には、なんらかの原因によって中性脂肪を分解するための酵素であるリポたんぱくリパーゼの分泌量が減少しています。

そのため、食事を摂取することで体内に増えた中性脂肪が分解されずに、食後に中性脂肪値が極端に高くなってしまうのです。

中性脂肪が増加するとどうなる?

リポたんぱくリパーゼによって中性脂肪が分解されると、体を動かすエネルギー源である脂肪酸が作られるのですが、リポたんぱくリパーゼの分泌量が少なく働きが弱いと中性脂肪が分解されるさいに「カイロミクロンレムナント」が多く作られてしまいます。

カイロミクロンとは血液に溶けづらい中性脂肪を血液にのせて運搬するための輸送カプセルのようなもので、カイロミクロンレムナントとはカイロミクロンの残りかすでもあります。

カイロミクロンレムナントはカイロミクロンと比べると粒子が小さく血管の壁にしみ込みやすいという特徴があります。

もともとカイロミクロンには中性脂肪だけでなくコレステロールも含まれているため、中性脂肪がある程度分解された状態のカイロミクロンレムナントの中にはコレステロールが多く含まれています。

そのため、このカイロミクロンレムナントが血管の壁にしみ込むと動脈硬化が発生しやすくなってしまうのです。

食後高脂血症は健康診断では見抜けない?

血液中の中性脂肪やコレステロールの量が増加している状態である一般的な高脂血症(現在では脂質異常症と呼ばれています)は、健康診断の血液検査で発見することが可能です。

しかし、食後高脂血症は普通の健康診断で発見することはできません。なぜ健康診断で食後高脂血症が発見できないのかというと、検査前日から当日にかけて食事制限をしているからです。

最初にも説明しましたが、体内の中性脂肪は食事の影響を強く受けてしまいます。そのため食事を摂取した後に時間をおかずに血液検査をしてしまうと、普段は中性脂肪の量に異常がなく健康に問題がないという人でも、異常値が検出されてしまいます。

こういったことを防ぐために、健康診断を受ける場合は「前日の夜21時から食事はしないでください。」といった食事制限の指示が出るのです。食後高脂血症は、あくまで食後の数時間だけ体内の中性脂肪の量が増加している状態です。

食事の影響をうけて増えすぎた中性脂肪も時間をかければ、リポたんぱくリパーゼの働きで分解されて少しずつ減少していきます。

そのため前日の夜から食事をせずに翌日検査を受けると、その頃には食後に増えていた中性脂肪の量も減少して、異常値が検出されない状態になっています。

こういった理由から、食後高脂血症は健康診断では発見ができないのです。食後高脂血症は健康診断では発見できないにもかかわらず、一般的な高脂血症と同じように動脈効果を引き起こすため非常に恐ろしいのです。

食後高脂血症にならないためには?

食後高脂血症は一般的な健康診断では発見することが難しいため、事前の予防が大切になってきます。

食後高脂血症にならないために一番大切なことは、内臓脂肪を増やし過ぎないことです。食後高脂血症が発生する主な原因は、中性脂肪を分解する酵素であるリポたんぱくリパーゼの分泌量の低下です。そして内臓脂肪の増加こそが、このリポたんぱくリパーゼの分泌量の低下を引き起こすといわれているのです。

内臓脂肪を増やし過ぎないための方法は、大きくわけると2通りあります。

・方法1…脂肪分が多い食事を控える
内臓脂肪の元になるのは、なんといっても食事から摂取される脂肪分です。そのため普段から脂肪分が多い食事をしているという人は、まずは食事の脂肪分の見直しをした方がいいでしょう。

また、根菜類、きのこ類、海藻類といった水溶性食物繊維を多く含む食材を食事の最初に食べると、その後に食べた脂肪分の吸収を抑えられます。

・方法2…運動をして、中性脂肪の分解を促進する
中性脂肪が分解されるのは、基本的に糖などの普段から使っているエネルギーが体内で不足したときです。そのため、ウォーキングなどの運動を生活に取り入れて1日のエネルギーの消費量を高めることで、中性脂肪が分解されて内臓脂肪が増えづらくなります。また中性脂肪を分解する酵素の分泌量は、筋肉を増やすことでも増加することが確認されているため、そういった意味でも運動はおすすです。

食後高脂血症は健康診断では発見できないにもかかわらず、放っておけば動脈硬化を引きおこし、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な病気に繋がります。最近体重が急激に増えたという人は、体内の内臓脂肪が増えている可能性があります。しっかりと普段から内臓脂肪を増やさないような生活を心がけて、食後高脂血症を予防しましょう。

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