幼少期の男子に多く発症するネフローゼ症候群とは

中性脂肪を増加させてしまう原因は、喫煙、飲酒、肥満などいくつかあげられますが、実はネフローゼ症候群という病気が関係しているケースもあります。

このネフローゼ症候群は幼少期の男子に多く見られる病気でもあるため、大人だけでなく子どもでも中性脂肪が増加することがあるのです。

スポンサードリンク


ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群は尿にたんぱく質が漏れ出すことで血液中のたんぱく質が減り、むくみなどの症状があらわれる病気です。

この病気には、主に腎臓の機能低下が関係しています。体内を流れている血液は腎臓にたどり着くと、糸球体という部分でろ過されて尿として体外に排泄されます。

このとき血液に含まれていたたんぱく質は、尿細管という部分で再度吸収されて血液中に戻っていきます。そのため、通常尿にたんぱく質が含まれることはほとんどありません(あるとしても少量です)。

しかしなんらかの原因によって腎臓に障害がでると、尿細管で吸収されるはずだったたんぱく質が再吸収されずに、尿と一緒に体の外に排泄されてしまうのです。

尿と一緒にたんぱく質が体の外に排泄されるということは、その分体の中のたんぱく質が減少するということでもあります。このように体の中のたんぱく質が基準値よりも少なくなる状態を「低蛋白症」といいます。

低蛋白血症の症状としては、浮腫み(むくみ)や腹水が多くみられます。血液中のたんぱく質の量が減少すると、血液が持っている水分を血管内に引き付けておく力が弱まってしまうため、その分血管の外側に水分が移動してしまいます。

この血管の外側に移動した水分が、体の浮腫みとなってあらわれ、さらに嘔吐や下痢、だるさ、体重増加といった症状に繋がっていきます。

ネフローゼ症候群にもいくつか種類があるのですが、その中でも子どもに多くみられるのが「微小変化型ネフローゼ症候群」です。

1年間で微小変化型ネフローゼ症候群を発症する日本人は約1300人といわれており、特に6歳以下の子どもが発症することが多く、性別ごとにみると男の子の方が女の子と比べて2倍近く発症しています。

ネフローゼ症候群で中性脂肪が増加する?

ネフローゼ症候群になると目にみえて分かる体の浮腫みに注目してしまいがちです。しかし、体の中ではたんぱく質が減少することによって、中性脂肪が増加していることがあります。

ネフローゼ症候群になって尿と一緒にたんぱく質が体の外に排出されるようになると、その分血液中のたんぱく質の量が低下します。

この血液中のたんぱく質の低下を補うために、肝臓は「アルブミン」と「リポタンパク」というふたつのたんぱく質を合成します。肝臓で合成されたふたつのたんぱく質によって血液中のたんぱく質の低下はある程度改善され、それに伴い体の浮腫みも抑えられます。

しかし、このときに発生したリポタンパクが中性脂肪を増加させる原因にもなってしまうのです。中性脂肪は血液に乗って体内を移動しますが、中性脂肪は脂質なので単体では血液のような水分に溶けることはできません。そこで活躍するのがリポタンパクです。

リポタンパクというのは、中性脂肪やコレステロールといった脂質を血液に乗せて運ぶための輸送カプセルです。表面部分が水に溶けやすいリン脂質、アポタンパクで構成されており、その中に中性脂肪が含まれています。

中性脂肪が血液中を移動する場合は、必ずこのリポタンパクに組み込まれた状態になるということです。

そして、ネフローゼ症候群になると血液中のたんぱく質の低下を改善するために、肝臓では中性脂肪が組み込まれたリポタンパクが合成されます。そのためネフローゼ症候群になると、血液中の中性脂肪の量が増えてしまうのです。

中性脂肪の量が増えると、血液中には「小型LDL」という動脈硬化を引き起こす超悪玉コレステロールも増えることが確認されています。

動脈硬化になると血流が悪くなったり血栓によって血流がストップしてしまうため、脳梗塞や心筋梗塞といった病気に繋がります。

幼少期のネフローゼ症候群の治療は?

幼少期に発症するネフローゼ症候群の多くは、ステロイド薬によって治療が可能です。ステロイド薬は幼少期のネフローゼ症候群に対して効果があらわれやすく、90%程度の子どもが薬の投与から7~10日ほどで尿にたんぱく質が溶け出す尿たんぱくの症状を改善できるといわれています。

そこからステロイド薬の投与量を減らしながら治療をしていき、最終的にはステロイド薬を使わずにすむ状態になるまで治療を続けていきます。またステロイド薬は効果が出やすいですが、服用期間が長くなると骨粗しょう症、糖尿病、感染症といった副作用が出てくることもあります。

幼少期にネフローゼ症候群を発症した場合は治療によって一度症状が収まっても再発をする可能性が高いです。ただし、何度か再発を繰り返しても思春期を境に再発することがなくなり完治するケースが多いです。

今回は、ネフローゼ症候群になることで増加する中性脂肪の危険性についても説明しました。しかし中性脂肪が増加した原因がネフローゼ症候群だった場合は、病院でしっかりと治療すればそれに伴って中性脂肪の増加も改善されるので、ネフローゼ症候群の治療を優先するようにしましょう。

幼少期に見られるネフローゼ症候群は、全身に浮腫みだけでなく中性脂肪の増加も招きます。

すぐに治療できれば浮腫みはもちろん中性脂肪の増加も改善できるため、早期発見が大切になってきます。

ネフローゼ症候群の症状の特徴ととしては、急激な体重の増加、尿の量の減少、まぶたや全身の浮腫み、肌を指で押しても戻らない、といったものがあります。

こういった症状があらわれたらすぐに小児科を受診して、ネフローゼ症候群、そして中性脂肪の増加を改善できるようにしましょう。

スポンサードリンク


中性脂肪の基礎知識
血液検査でわかる中性脂肪値
病院での治療について
中性脂肪値が高い方へ
食事で対策
中性脂肪を下げるための習慣
中性脂肪値が低い方へ