中性脂肪が増えると血液がドロドロになって動脈硬化になってしまうかも

中性脂肪はその名のとおり体の中の内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されていきますが、体内に増えすぎると血液をドロドロにして動脈硬化を引き起こす場合があります。

ここでは中性脂肪と動脈硬化の関係、そして動脈硬化がどんな病気を引き起こすのか説明していきます。

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動脈硬化とは?

まずは、動脈硬化のメカニズムから説明していきましょう。

▼動脈は3層構造!
動脈というのは心臓から送り出された血液を全身に運ぶための血管ですが、この動脈は3つの層から成り立っています。

・外膜…動脈の一番外にある膜で、血管を保護する役割を持っています。
・中膜…外膜と内膜に挟まれているのが中膜で、みずから収縮と拡張運動を繰り返して血液が流れるようにしています。
・内膜…動脈の中で一番内側に存在するのが内膜であり、この内膜の中でも血液と直接接する部分には「内皮細胞」という細胞がびっしりと隙間なく敷き詰められています。

▼動脈硬化を引き起こす悪玉コレステロール!
動脈硬化とは、簡単にいうと悪玉コレステロールが動脈の内膜にしみ込み内膜が炎症を起こして、血液が流れづらくなることをいいます。

もう少し詳しく動脈硬化の流れを順を追って説明していきましょう。

1.LDLが内膜へしみ込む
LDLというのは悪玉コレステロールのことで、血液に溶け込むLDLの量が増えると動脈の内皮細胞が傷つき、そこからLDLがしみ込んでいき内膜へと蓄積されていきます。
またLDLより粒が小さい、小型LDL(スモールデンスLDL、小型高密度LDLともいいます)というものも存在します。

小型LDLはLDLよりも粒が小さいため血管の内膜に侵入しやすいという特徴があります。そのため、小型LDLは「超悪玉コレステロール」と呼ばれることもあるのです。

2.LDL→酸化LDLへ変化→マクロファージの発生
動脈の内膜へとしみ込んだLDLと小型LDLは、活性酸素の作用によって体にとっては不要な「酸化LDL」へと姿を変えます。

先ほど内膜には普通のLDLと小型LDLがしみ込むといいましたが、小型LDLのほうが普通のLDLよりも酸化しやすい性質をもっています。

体にとって不要な酸化LDLが発生すると、これを掃除するために「マクロファージ」という細胞が作り出され、酸化LDLはマクロファージに食べられて処理されます。

3.マクロファージがコブを作る
マクロファージは身体に不要な酸化LDLを掃除してくれますが、このときに炎症反応が発生します。マクロファージは酸化LDLを食べれば食べるほど大きくなっていき、最後には自壊して「脂質プラーク」というこぶのようなかたまりになってしまうのです。

この脂質プラークというこぶが動脈の内膜にできると、本来血液が通るべき道が狭くなってしまい、血の流れが悪くなってしまいます。

4.脂質プラークが破裂→血栓が発生する
脂質プラークがコブとして内膜に存在している場合は、血の流れが悪くなるだけですみます。
しかし脂質プラークの炎症が強まって破裂してしまうと、破裂した膜を修復するために血小板が集まってきて、血の固まりである血栓を作り出してしまいます。そしてこの血栓が血液の通り道をふさいでしまい、血液の流れが止まってしまうのです。

これが動脈硬化が発生して、血液がいわゆるドロドロの状態になってしまう仕組みです。

中性脂肪が増加すると超悪玉コレステロールが増加する!?

動脈硬化の仕組みを説明してきましたが、上の説明だけみると「動脈硬化を引き起こすのは悪玉コレステロールで、中性脂肪は関係ないのか!」と思うかもしれませんが、実は中性脂肪も間接的に動脈硬化に関係しています。

なぜなら、中性脂肪が増加すると血管の内膜に侵入しやすく酸化もしやすい小型LDL(超悪玉コレステロール)が増加するといわれているからです。

そのため確かに動脈硬化を引き起こさないようにするためには、血中の善玉コレステロール、悪玉コレステロールの量に気を付けることも大事なのですが、それと同じくらい中性脂肪の量にも気をつけなければいけないのです。

動脈硬化が引き起こす病気は?

最後に動脈硬化になるとどんな症状が出るか紹介していきます。

▼動脈硬化は自覚症状がない!
動脈硬化というのは、血管に問題が起きて血の流れが悪くなることをいいます。そのため、動脈硬化になっても自覚症状があらわれることはあまりありません。強いていえば頭痛が起きやすくなるくらいです。

しかし、はっきりとした自覚症状がないながらも動脈硬化がすすめば、重大な病気を発生する可能性も高いため動脈硬化をあなどってはいけません。

▼動脈硬化が引き起こす病気
実際に動脈硬化が引き起こす病気には、次のようなものがあります。

・心筋梗塞
冠動脈という部分が動脈硬化を起こし、心臓が酸素不足を起こすことで発生します。酸素不足になった心臓の細胞は少しずつ壊死を起こし、発作から数時間で半分近い人が死亡するといわれています。

・脳梗塞
脳の動脈に血栓が詰まり血流が止まることで、脳細胞が壊死を起こす病気です。半身麻痺、言語障害、視野障害といった後遺症が残ります。

・大動脈瘤
腹部にある全身へと血液を届ける太い血管が大動脈であり、この部分が動脈硬化を起こし発生する大きなコブが大動脈瘤です。コブが大きくなるにつれ腹部に感じる痛みが大きくなり、コブが破裂すると激痛とともに呼吸困難などを起こし、死に至ります。

このように中性脂肪の増加に伴う動脈硬化は自覚症状が少ないにもかかわらず、死にいたる重大な病気を引き起こす危険性を持っているのです。

中性脂肪が増加すると動脈硬化を引き起こす可能性が高くなり、ドロドロの血液は様々な病気のきっかけになります。健康診断ではコレステロール値はもちろんですが、中性脂肪の数値にも目を通して動脈硬化にならないように気をつけましょう。

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