中性脂肪が低すぎるとどうなるの?

健康診断で指摘されることのある中性脂肪の数値は、ついつい「正常値を上回っているかどうか」という点ばかりに注目してしまいがちです。

しかし実は中性脂肪の数値が低すぎる場合も体に悪影響が出るのです。この中性脂肪の数値が低い状態「低中性脂肪血症」は、特に女性に多く見られるといわれています。

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中性脂肪はいくつから低値と診断される?

そもそも中性脂肪の値は、いくつから低値と診断されるのでしょうか?自分の体の中の中性脂肪の量を知るためには健康診断がおすすめです。健康診断では体の中の中性脂肪の量を数値化しており、数値によって次の状態に分類されます。

・29mg/dl以下…低中性脂肪血症
・30~149mg/dl…正常
・150~299mg/dl…境界域軽度高中性脂肪血症
・300~749mg/dl…中等度高中性脂肪血症
・750mg/dl以上…高度高中性脂肪血症

このように中性脂肪の量によっていくつかの段階に分類されており、中性脂肪の数値が29mg/dl以下になると中性脂肪の量が体の中に足りていない「低中性脂肪血症」と診断されます。

実際の健康診断では、中性脂肪の項目(略して「TG」と表記されることもある)に数値が記載されるのですが、基準値より低い数値の場合は数値の横に低いという意味の英語「LOW」の頭文字をとった「L」や「低」、反対に基準値より高い数値の場合は「HIGH」の頭文字をとった「H」や「高」といった文字がついているので頭に入れておくといいでしょう。

中性脂肪が低いとどうなる?

いくつから中性脂肪の値が低値になるかは理解していただけたと思いますが、気になるのは中性脂肪が少なくなることの何が悪いのか、どうなるのかという点です。それを知るためにも中性脂肪の体内での働きを簡単に説明していきましょう。

中性脂肪は、体のエネルギー源となる物質であり食事から摂取するか、体内で合成するか、いづれかの方法で体内に存在しています。

人間は通常時は糖質などをエネルギーに変えて体を動かしているのですが、体内の糖質などが不足した場合は脂肪として蓄積されていた中性脂肪が分解されてエネルギーとして利用されるのです。つまり中性脂肪はエネルギーの貯蔵庫だということです。

また人間が食事から取り入れる栄養素の中に「脂溶性ビタミン」と呼ばれるものがあります。脂溶性ビタミンは、中性脂肪と合体することで血管の中を流れて体の中に届けられていきます。

つまり中性脂肪にはエネルギー源としての働きだけでなく、脂溶性ビタミンを全身に届ける役割もあるのです。

その中性脂肪が少ない状況になってしまうと、どれだけ食事から脂溶性ビタミンを摂取しても体の中でビタミンが使われずに、ビタミン欠乏を引き起こしてしまいます。ビタミン欠乏を引き起こすと次のような症状が体にあらわれます。

・動脈硬化
・動悸や息切れ
・だるさ
・偏頭痛
・倦怠感
・めまいやふらつき

動悸や息切れ、倦怠感といった日常生活の中でのささいな症状ももちろんですが、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞といった重大な病気の引き金となる動脈硬化が発生することもあるのです。

また、後述する病期が原因で中性脂肪の量が少なくなる場合もあります。そういった場合は中性脂肪が少ないと分かった時点で、それぞれの病気の症状があらわれているケースもあります。

中性脂肪が低値になる原因は?

中性脂肪が低値になる原因として、次のようなことが考えられます。

・遺伝、体質
病気もしておらずしっかりと食事を摂っている、親の中性脂肪が低い、という場合には中性脂肪が低くなりやすい体質が遺伝している可能性があります。

・栄養不足
栄養不足によって中性脂肪が低くなってしまうこともあります。中背脂肪はその名のとおり脂であり、脂が含まれる食べ物というのは健康志向の高い人にはついつい敬遠されてしまいがちです。
確かに中性脂肪を「摂りすぎない」ようにするのは大切なことですが、その行動が極端になると栄養不足になり中性脂肪が低値になることもあります。また元々小食だったり、好き嫌いが激しい場合にも同じことがいえます。

・過度な運動
中性脂肪は体を動かすエネルギー源です。そのためエネルギーの消費量が大きくなればなるほど中性脂肪の値も低くなってしまうため、過度な運動も原因になりえます。

・肝臓の機能障害
日常の生活習慣だけでなく、病気が原因となって中性脂肪が低くなることもあります。食事から摂取した脂肪は小腸から肝臓へと蓄積され、肝臓で中性脂肪へと変化します。

そのため中性脂肪が低い場合は、肝臓がなんらかの病気で正常に機能しなくなっている可能性があるのです。

・甲状腺機能亢進症(バセドー病)
甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因で、新陳代謝が異常に活発する病気が甲状腺機能亢進症(バセドー病)です。「新陳代謝が活発になる」というと良いイメージがありますが、活発になるということはそれだけエネルギーを使うということでもあり、中性脂肪を使い切ってしまう場合があるのです。

このように中性脂肪が低くなってしまう原因は、生活習慣はもちろんですが、病気がきっかけとなることもあるのです。

なぜ女性の中性脂肪値は低くなる?

今回の話の冒頭で「中性脂肪の数値が低い状態は、女性に多くみられる」といいましたが、それはなぜなのでしょうか?

その理由は、特に女性がおこないがちな「無理なダイエット」にあります。女性であれば人生の中で一度くらいはダイエットに挑戦したことがあるかもしれません。

世の中にはいろいろなダイエットがありますが、中でも一番単純で分かりやすいのが食事制限です。

少しでも早く結果を出そうと極端に食事の量を制限したり、脂肪が含まれる食事を完全にシャットアウトすることも珍しくないでしょう。こういった無理な食事制限やダイエットをすることで、本来体に必要な中性脂肪が極端に少なくなることがあるのです。

「中性脂肪は高すぎなければいい!」というイメージが強いですが、実は低すぎるのも問題になります。特に女性の場合は無理なダイエットが引き金となって中性脂肪が低値となるケースが多いです。ダイエットをすることは、決して悪いことではありません。脂肪が増えすぎれば、病気を引き起こしてしまうこともありますからね。

大切なのは「脂は絶対ダメ!!」と極端な考えを持たずに、中性脂肪を含めた全ての栄養素をバランスよく摂取しながらダイエットをすることです。そうすることで健康的に痩せながら、中性脂肪を極端に減らさずにすむでしょう。

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