中性脂肪が少なすぎる原因は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)かも・・・

世間一般では体内の中性脂肪の量が過剰に増えたり減ったりすることでなんらかの病気が発生すると認識されていますが、実はその反対になんらかの病気の発症が原因となって体内の中性脂肪が少なくなってしまうこともあるのです。

今回は体内の中性脂肪を少なくしてしまう甲状腺機能亢進症(バセドウ病)について紹介していきます。

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甲状腺機能亢進症はどんな病気?

甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの分泌量が過剰に増えて、体に様々な症状があらわれてしまう病気です。

「甲状腺機能亢進症=バセドウ病」と覚えてしまっている人もいるかもしれませんが、厳密にいうとこれは間違いでありバセドウ病は甲状腺機能亢進症に分類される病気のひとつです。

他にも甲状腺機能亢進症には「チラージン中毒」「過機能性甲状腺結節」「TSH産出腫瘍」といった病気が分類されるのですが、中でも発症率が最も多いバセドウ病が甲状腺機能亢進症の代表のような存在になってるのです。

▼甲状腺とは?
症名についている「甲状腺」というのは、のどぼとけの下らへんに存在する小さな臓器のことで、ここではヨウ素を材料にして「甲状腺ホルモン」が分泌されています。甲状腺機能亢進症とは、この甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。

甲状腺ホルモンは甲状腺を抗体が刺激することで分泌されるのですが、甲状腺機能亢進症の場合は「THS受容抗体」「甲状腺刺激抗体」という2つの抗体が増えてしまうことで甲状腺ホルモンの分泌量が過剰に増加すると考えられています。

しかし、残念ながらこの2つの抗体が増える原因はいまだわかっていません。

この甲状腺ホルモンが正常にに分泌されている場合には、体の中で次のような働きをします。

・新陳代謝の活発化
・脳の働きの活性化
・心臓や胃腸といった臓器の働きの活性化
・体温の調節

このように甲状腺ホルモンは人が生きていく上で大切な働きをしているのですが、分泌量が過剰になると様々な悪影響が出てしまいます。

▼症状
甲状腺機能亢進症を発症すると、上で紹介した甲状腺ホルモンの働きが乱れることで次のような症状があらわれます。

・全身の倦怠感
・動悸
・息切れ
・手の指の震え
・汗をかきやすくなる
・不眠
・不安や焦燥感
・下痢
・食欲の増加

こういった体調面の変化が多いのですが、甲状腺の腫れや眼球が飛び出してしまう眼球突出という外見にあらわれる症状もあります。

また上で紹介した症状は、更年期障害の症状によく似ており、甲状腺機能亢進症を更年期障害と勘違いして、特別な治療などもせずに生活をしてしまう人もいます。

▼発症しやすい性別と年齢
甲状腺機能亢進症は特に女性に多く発症する病気であり、女性の場合は30~60人に1人程度の割合で発症するといわれています。一方男性の場合は50~100人に1人程度の割合です。
また発症しやすい年齢は20代から50代前半と幅広いです。

▼治療方法
甲状腺機能亢進症のおもな治療方法は3つあります。

・手術による治療
症状が発症することによって大きく晴れてしまった甲状腺を手術で切り取り、小さくすることで症状をやわらげます。後に紹介する方法とは違い、治療にかかる時間が短い上に治療後の再発率も低めです。

しかし喉に傷跡ができてしまうため、女性からするとあまり進んで受けたいと思う手術ではないかもしれません。

・内服薬による治療
甲状腺の働きを抑える薬を飲むことで、症状をやわらげます。この方法の場合は手術のように傷跡が残る心配はありませんが、1日に3~6錠ほどの薬を2年程度飲み続ける必要があり、根気がいる治療方法になります。

・放射性ヨードカプセルの服用による治療
放射性ヨードが入ったカプセルを服用することで、腫れてしまった甲状腺を放射能の力で焼いて症状を抑えます。

内服薬による治療に比べると治療の効果は高いのですが、放射線科でないと薬の処方をしてもらえないため、住む場所によってはこの治療が難しくなることもあります。

3つの治療法がありますが甲状腺機能亢進症は根本的な完治が難しいと言われている病気でもあるため、治療には根気が必要になります。

甲状腺機能亢進症と中性脂肪の関係は?

今回の本題である甲状腺機能亢進症と中性脂肪の関係について説明しましょう。甲状腺機能亢進症の働きを紹介しましたが、中性脂肪と関係のある働きが「新陳代謝の活発化」です。

新陳代謝が活発になると、その分体内で消費されるエネルギーも増加します。

普通に考えると新陳代謝が活発になるのは、体にとっても良いことです。しかし甲状腺機能亢進症の場合は新陳代謝の活性化が度を過ぎてしまい、体が常にエネルギーを消費しているような状態になってしまいます。

そのため、通常であれば体内にある程度は蓄積されている中性脂肪がほとんど分解されてエネルギーとして利用され、体内の中性脂肪の量が激減してしまうのです。

また体内の中性脂肪を増やす場合には、糖質や脂質が含まれる食品を積極的に食べると良いのですが、甲状腺機能亢進症の場合は食べたそばから食品の栄養がエネルギーとして使われてしまいます。

そのためいっこうに体内に中性脂肪が蓄積されずに、日常生活にも支障が出てしまうのです。

女性の場合は甲状腺機能亢進症を疑うべし!

甲状腺機能亢進症は女性に多い病気であり、その症状は更年期障害にも似ています。

若い場合には今回紹介した甲状腺機能亢進症の症状が顕著にあらわれる傾向にあるのですが、年齢を重ねてから発症すると症状が少しおさえられた状態であらわれることが多いです。

そのため余計に40代、50代で甲状腺機能亢進症を発症した場合は、更年期障害と勘違いしやすくなってしまいます。

もし健康診断で中性脂肪値が極端に低く、体内の中性脂肪が少なすぎる場合には、一度甲状腺機能亢進症を疑って検査をすることをおすすめします。

世の中には中性脂肪が増減することで発症する病気もありますが、病気が発症することで中性脂肪が激減するケースもあります。

女性で中性脂肪値が極端に低い場合には、特に甲状腺機能亢進症を患っている可能性も高いため、中性脂肪値以外にも思い当たる節があれば積極的に検査を受けて早めに治療を開始しましょう。

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