病院で処方される高中性脂肪血症の薬

医療が発達した現代では、人はたくさんの薬の力を借りて生活しています。

中性脂肪の数値が高く「高中性脂肪血症」もしくは「脂質異常症」と診断された場合にもいくつかの内服薬を処方してもらえますが、これらの薬にはどのような作用があるのでしょうか?

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中性脂肪値を下げる薬は?

まず高中性脂肪血症と診断された場合には、中性脂肪の数値が基準値より高いということなので、病院では以下のような「中性脂肪の数値を下げる薬」を処方してもらえます。

▼フィブラート
フィブラートには、肝臓にあるPPARα(ピーパーアルファ)と呼ばれる受容体を活性化させる効果があります。PPARαが活性化されると、中性脂肪を脂肪酸へと分解するLPL(リポタンパクリパーゼ)という酵素の働きが活性化されます。分解された脂肪酸は体のエネルギーとして消費されるものです。

つまり酵素の働きが活性化されるということは、そのぶん中性脂肪がエネルギーとして消費されて数値も下がるということなのです。またPPARαには、体内で中性脂肪が再合成されるのを防ぐ効果もあるのです。

中性脂肪の数値を下げる薬の効果の高さを3段階に分類するとしたら、フィブラートの効果の高さは「高」になります。
副作用には横紋筋融解症、肝障害などがあります。

フィブラートに分類されている薬には、次のような名前がついています。
・ベザフィブラート (ベザトールSR、ベザリップ)
・フェノフィブラート (リピディル、トライコア)
・クロフィブラート(ビノグラック)
・グリノフィブラート(リポクリン)

▼ニコチン酸誘導体
中性脂肪値を下げるために昔から使われているのがニコチン酸誘導体です。この薬にもフィブラートと同じように中性脂肪の脂肪酸への分解を促進する効果があります(脂肪酸の分解を促進する原理は異なります)。

しかし、ニコチン酸誘導体の効果の高さは「中」に分類され、中性脂肪値を下げる力はフィブラートには劣ります。副作用には、顔面潮紅、頭痛などがあります。

ニコチン酸誘導体に分類される薬には、次のような名前がついています。
・トコフェロール(ユベラN)
・ニセリトール(ペリシット)
・ニコモール(コレキサミン

▼多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸とは青魚に含まれている不飽和脂肪酸のことで、中性脂肪の減少効果があります。多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪の数値を下げる薬の中でも最も効果が低い「低」に分類されます。
副作用には消化器症状、出血傾向、発疹などがあります。

多価値不飽和脂肪酸に分類される薬には、次のような名前がついています。
・イコサペント酸エチル(エパデール、エパデール、ソルミラン)
・オメガ-3脂肪酸エチル(ロトリガ)

▼スタチン
スタチンは中性脂肪の数値を下げる効果は低く、「低」に分類されます。しかし、中性脂肪と同じ血中脂質である「悪玉コレステロール」の数値を大幅に下げる効果がある薬です。
中性脂肪が多い状態である高中性脂肪血症は脂質異常症とも呼ばれるのですが、悪玉コレステロールの量が多い場合も同じように脂質異常症に分類され、動脈硬化などの危険が高まります。

そのためスタチンは中性脂肪を下げるというよりも、主にコレステロール値の改善のために用いられることが多いです。

副作用には横紋筋融解症、認知機能障害、間質性肺炎、筋肉痛や脱力感などがあります。

スタチンに分類される薬には、次のような名前がついています。
・プラバスタチン(メバロチン)
・シンバスタチン(リポバス)
・フルバスタチン(ローコール)
・アトルバスタチン(リピトール)
・ピタバスタチン(リバロ)
・ロスバスタチン(クレストール)

▼小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬も中性脂肪の数値を下げる効果は低く、「低」に分類されます。

そもそも小腸コレステロールトランスポーターは、スタチンと同じようにあくまで悪玉コレステロールを抑制し、善玉コレステロールの量を増やすことを目的とした薬なので、中性脂肪を下げる効果はあくまで補助的なものとなっています。

副作用には、消化器症状、肝障害、などがあります。

小腸コレステロールトランス阻害薬に分類される薬には、次のような名前がついています。

・エゼチミブ(ゼチーア)

このように中性脂肪の数値を下げる薬にも種類があり、効果の強さや他の血中脂質の数値に及ぼす影響、副作用なども様々です。

薬にかかるおよその費用は?

中性脂肪の数値を下げるために内服薬を定期的に服用するとなると、気になるのはかかってくる費用です。処方される薬の種類によっても費用は変わってきますが、フィブラート系薬剤は中性脂肪の数値を下げるためによく使われています。

フィブラート系薬剤の場合は、2週間分の薬で1,200円程度の費用がかかります。1日あたりに換算すると100円以下なので、薬代にそこまで費用がかかるわけではありません。

治療の基本は生活習慣の改善!

ここまで中性脂肪の数値を下げる薬について説明してきましたが、高中性脂肪血症と診断されたからとって、すぐに薬による治療がはじまるわけではありません。脂質異常症治療のためのガイドラインにも「生活習慣の改善が基本である」と書かれています。

実際に中性脂肪の数値が高くなる原因は、食生活、運動不足、飲酒、喫煙といった部分が大きく関わってきます。

そのため病院で薬を処方されなかった場合は、薬を使わなくても生活習慣の改善で十分対応できるという意味なので、医者の指示に従って生活習慣の改善に努めるようにしましょう。

病院に行くとついつい治療をするために薬を処方してもらいたくなりますが、薬には当然ながら副作用もあります。薬を使わずに済むならそれに越したことはないので、中性脂肪の数値に異常があると分かったら症状が軽いうちに病院を受診し、生活習慣の改善だけで数値の改善ができるようにしましょう。

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